6月20日(土)

ツーショット


11:00 ラッシュ
12:30 開始 S#81 S#83 S#94 S#137 伊沢の部屋 S#101-1 小説家の部屋
20:00 撮影終了予定

本日の撮影も、一番手から難しいデジタル合成ショット。
同じカメラワークを東映の“セットの押入”と、新潟“オープンセットの廃墟”の中で
繰り返し撮影して、後から合成するというもの。
全く同じカメラの動きが必要になるため、ハリウッドなどでは、
コンピューター制御のモーションコントロールカメラが使われるカット。
それを、特機部の多正行さんと川俣克憲さんのゴールデンコンビが、
人力でスピードを合わせ、移動車とクレーンを動かす。
コンピューターのタイミングの代わりに、エリック・サティの
『ジムノペティ』の曲に会わせて、クレーンが動き出す。
後に、新潟のオープンセットで、同じようにサティの曲に会わせてクレーンを動かすと、
見事同じ速度でカメラが動く(ハズ…)、その2カットを合成しようという作戦。
S#83は泣くサヨの顔を、作り物のメカニカルヘッドで撮影。
一瞬のカットなのだが、人間離れした表情を見せる為の監督の演出。
手塚監督の盟友、原口智生氏と藤好信暁チームで作られたサヨのダミーヘッドは、
口と頬の筋肉、瞼が動き、涙が流れるという精巧な物。
一瞬なので、ほとんど本物と見分けがつかないが、瞳をガラス玉で作っているため、
わずかに違和感がある。それが狙いなのだ。
甲田さん本人はしげしげとその顔を見つめて、気味悪がりながら笑っていた。
そして、今や取りこぼし常連となったS#101-1の『月のカット』を取りこぼす。
結局S#63『天井』S#72-2『伊沢の見た目の襖』S#85『花の洞窟』と
S#101-1『窓越しの月』が、7月以降に延期。
このセットの最後のショットには坂口安吾の息子さんである、坂口綱男氏が出演。
この映画の企画のため、監督とは何度も会っている坂口氏だが、
映画の現場はもちろん初めて。
着物を着て、安吾の遺品のめがねをかけると、本当に父親そっくりである。
手塚監督が黒縁めがねをかけると、やはり父親そっくりになるので、
2人並んで写真に撮りたいくらいだった。


撮りました。綱男さんと眞さん



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(C)Hakuchi Projects 1998