5月21日(木) 晴れ

スタッフ&キャスト新潟結集!


これから始まる数々のドラマを見守るオープンセット

09:00リハーサル :仕立屋(監督・浅野忠信・甲田益也子・助監督・録音部・記録)
カメラテスト:路地内(撮影部・照明部)
12:00お払い&スタッフ顔合わせ
17:30子役オーディション

前日新潟入りした全スタッフと主役キャストの浅野忠信・甲田益也子が初めて一堂に会する。3月から美術部の突貫工事によりほぼ完成したこの映画の メインセットである『路地』。家々の壁の色から庭先の鉢植えまで、入念に作り込まれたセットに全員感嘆のため息!
衣裳・メイクの支度をして、浅野&甲田は伊沢&サヨになって、『仕立屋の庭』に現れた。二人の俳優と手塚眞監督を、大勢のスタッフが取り囲みなが らリハーサルが始まる。二人の芝居には、せりふがほとんどない。そこに二人が立ち、目線を交わすその様が、伊沢とサヨなのだ。そんな無言の芝居が 終わると、監督は二人のそばに近づき耳元で囁くように指示を出す。「き、聞こえない・・・」スタッフが監督と俳優のやりとりを聞き取ろうと、耳を そばだてる。しかし、俳優のじゃまにならないように離れた位置で見守っているスタッフには「聞こえない・・・」これがこの先、助監督を悩ますこと になる"監督の囁き"手塚演出の始まりであった。
一方撮影部・照明部は、新潟の空の下、路地のセット・俳優の肌がどんな色に映るのか、色味のテスト撮影を仕立屋と反対側の路地の一角で行っていた。 そのテスト撮影は徐々に路地の坂道を下っていき、リハーサルをしている仕立屋の庭へ。カメラマンの藤沢順一氏の「おじゃましまーす」というにこや かな笑顔で、テスト撮影班とリハーサル班が合流。俳優を交えテスト撮影となる。
お昼には、神主さんを呼んで安全祈願のお払い。アシスタントプロデューサーの井上潔氏がお払いを仕切る。あまりにもスタッフ人数が多かったので通 常の『オールスタッフ打ち合わせ』は省略してスタッフ紹介だけ。相変わらず美術監督の磯見俊裕氏率いる美術チームは大張り切り。実は撮影に間に合 わせるために連日朝早くから夜中まで肉体労働に追われているのだが、そんな疲れはみじんも見せない。ここ数日で新潟入りしたスタッフは、ほのぼの した様子で自己紹介、する時間もないので集団点呼。監督の抱負、というかお言葉「日本映画では近来まれにみる作品。やることもてんこ盛りなので、 くれぐれも怪我の無いように。よろしくお願いします」をお開きにリハーサル再開。
午後のリハーサルも終わり、監督を中心にメインスタッフのセットの点検が始まる。全体の造りは満足といいながら演出・カメラポジションにあわせて 細かい直しを次々に出していく監督。意外に厳しいなと思っていたら、軒先やら建具をのぞき、「こんなところまで作ってある!」と、大はしゃぎ。そ んな監督やスタッフの様子を見て美術部はにやにや。監督の急な直しの注文も「判った!まかせといて!」と二つ返事。またまた残業の嵐に見舞われる 美術部。夜になると作業灯の明かりの下、アジア音楽の流れる中で、真っ黒に日焼けした20人もの男女が、黙々と家作りを進めていた。



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